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新しい形の地域との繋がり(高校生向け課題解決ワークショップの開催)

鳥取県立八頭高等学校の1年生1クラスの生徒へ向けて「地域や企業の課題に触れて、自分で考えてみる」力を養うことを目的としたワークショップを開催。地元企業や大学生も参画し、高校生に地元にはどのような企業があるのか、何をしている企業なのかを知ってもらい、企業が行っている事業や商品開発のアイデアを出し合いました。高校生にとって、地元の企業を知る機会になるうえに、企業にとっては普段関わる機会の少ない高校生からの視点や考えを得る機会となりました。

 

クライアント:鳥取県教育委員会
実施期間:2020年2月13日(木)の当日及び準備期間約3ヶ月

 

■課題:高校生にとって「身近」な問題とは

以前、地元の高校生を集めて世の中で問題になっていることについて考える合宿を行ったが、その時の反省点として、挙がった問題が身近に感じられる機会が少なく、解決策を考えにくいというものがあった。(自分事になりづらい、解決策が壮大になってしまう)

 

今回の狙いとして高校生自身に『地域や企業の課題に触れて、自分で考えてみる』力を養ってほしいという狙いがあった。そこで、まさにビジネスの力で地域課題の解決を目指す地元企業に参画いただき、当事者である企業担当者から直接問題となっていることを聞くことで、課題を身近に感じていただくとともに、企業としても普段関わる機会の少ない高校生との接点や彼ら独自の視点を得る機会となった。

 

■実施内容:想像以上の盛り上がり

当日は高校生4名、大学生1名、企業担当者でチーム編成を組んだ。

  • アイスブレイク:企業と高校生がまず仲良くなる
  • 企業理解:企業がプレゼン、高校生がどんな企業なのかを理解する
  • 企画立案:企業の課題に沿って解決策や新たな案をグループで出し合ってまとめる
  • プレゼン:グループで出た意見や案を全体にプレゼンで発表する
  • フィードバック:高校生の意見に対して企業からのフィードバック

初対面かつ普段関わる機会の少ない者同士だけに、はじめは緊張感に包まれた会場でしたが、テーブル内に身近な先輩として大学生がいてくれたことが安心材料の一つとなり当初の想定を超える話し合いの盛り上がりをみせた。終了後には「思ったより話すことができた!」との声も多くよせられ、確かな手応えを感じる時間になりました。

 

■結果:今までにありそうでなかった繋がり方

高校生からは「思ったより話せた」と自分の殻を少し破る機会になったこと以外に、「こんな企業が地元にあるなんて知らなった」といった感想が寄せられました。また参画企業からは、「普段自分たちが気づかない視点を思い出すことができた」、「新しいアイデアを得ることができた」、「今後もあれば定期的に参加したい」といった声が多く挙がりました。地元企業にとっては、社外・若者の視点を取り入れることで事業運営や商品アイデアに活かせるばかりか、自社の認知を広げるとともに、採用活動にもプラスの影響を与える機会と感じていただけました。

 

若者の県外流出が地域課題の一つだと言われて久しいですが、地元のことを正しく「知らない」「知る機会が無い」「興味を持てるような場や関わりがない」という現状があります。今回のワークショップは、地域側としても「知ってもらう」ための努力や工夫ができる余地がまだまだあることを、教えてくれる場になりました。